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京都地方裁判所 昭和36年(ワ)582号 判決

被告 京都信用金庫

理由

先ず本件訴の確認の利益について判断する。原告等訴訟代理人が、移送前裁判所(京都簡易裁判所)の第一回口頭弁論期日に陳述した申立(訴状)の要旨は、被告(京都信用金庫)作成の帳簿の記載内容が真実に合致するか否かの確認を求める、というにあつて、被告が作成した書面か否かの確認を求めるものではない。一般に確認の訴は特定の法律関係の確定を求めるものであるから、右のように事実関係の確認を求める訴は許されないのであり、唯一の例外として、民事訴訟法第二二五条によつて、法律関係を証する書面の真否を確定するための確認の訴が認められているのであるが、同条に定めている訴は、書面の成立が真正であるか否かを確定する訴訟であつて、本件のように書面の記載内容が実質的に客観的に事実に合致するか否かを確定する確認の訴は、帳簿が法律関係を証する書面か否かを判断するまでもなく、不適法として却下を免れないものである。

(後略)

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